Forest & Music

森と音楽

母の入院

また母がイレウスで入院しました。

せん妄が出ています。看護師さんに手伝ってもらって頻繁に携帯から電話がかかってきます。

「今、デイサービスにいて親戚を待っているけれど来ないのでこれから家に帰る」とか、「お寺に行ったら迷って、変なところへ来ている」とか。

今、病院はコロナの関係で面会ができません。認知症の高齢者には電話の声だけでは伝わらないものがたくさんあります。どのように対処したらいいのか・・・。私自身に突きつけられる咄嗟の判断・・・。

 

「部屋を見て。何がある?」というと、ベッドがあると答えます。「そこは病院だからベッドがある。今、治療中」と伝えると、「え?誰が?私が具合悪いの?」と答えが返ってきます。かなり看護師さんも困っているようです。「今日はそこに泊まる」と呪文のように何度も言いきかせているうちに電話を切られました。

今晩、大丈夫だろうか。看護師さんを困らせているじゃないだろうか・・・。

 

 

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認知症の人が見ている世界、感じている世界ってどんな世界なんだろう。

欠けてしまった世界を必死に取り繕って、取り繕うために不安になり、地に足がつかないような感覚を味わっているのではないだろうか。

具合が悪くなり、何とかこなしていた日常生活の歯車が狂うと、手がつけられない方へ流れていく。

介護保険も破綻しそうなほどに認知症の高齢者の数が増えている日本。どうなるのだろう・・・。